その白い指先が
ゆっくりと私の首筋に伸ばされ
嗚呼、もしも貴方がその美しい掌で私の首を絞めるというのなら
それはそれで幸せなのかも知れない
ゆっくり目を閉じてその瞬間を待つ
だが、何時まで経っても甘美な窒息感は訪れず、繊細な指先は私の首筋に散った赤い花弁をなぞるだけ
不信に思って目を開けると其処には、不愉快そうに歪められた貴方の顔
「・・・・庵?」
どうしたの?それは貴方が付けた痕でしょうに
問いかけても、返ってくるのは沈黙のみ
夜気に僅かに怒気を孕ませて黙り込む貴方もなかなかに絵になるのだけれど
何一つ、彼の思っていることが読み取れない
私の思考はどれ一つとっても筒抜けだというのに
その不安定さに再び問おうと口を開けば
「っ・・・・・」
貴方は紅く色づいた痕跡に血が浮かぶほど強く歯を立て
私はその得も言われぬ甘さを含んだ痛みに
ただ支配されるだけ
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それは酷く不愉快な光景
女の白く滑らかな首筋に一際醜く写る赤いそれ
触れたら消えるだろうか
否、この掌が触れただけでこの女の首はいとも簡単に傷ついてしまうだろう
そっと指先で花弁をなぞる
案の定消えるはずのない痕がさらに不快感を煽った
ゆっくりと閉じられた瞳
震える長い睫
先刻見ていた物とは別の美が其処には確かに存在する
それを汚してしまったのは
紛れもない、この俺
「・・・・庵?」
聞き取れるのは不信感
瞳に映る確かな不安はそれすらも女の美にしかなり得ない
問われてもただ黙っていることしかできない俺に
女は朱に彩られた唇を開き
その瞬間、全身を駆けめぐる破壊衝動
「っ・・・・・」
内から溢れ出る本能の赴くまま女の首に歯を立て
息をのむその吐息に酔って
全身が麻痺していく
(後書き)
今回はエロいけどエロくない表現を目指し
見事に撃沈・・・・・;
しかも名前変換一切無し
・・・・・精進します