ステレオから小さく流れてくるギターの音
その合間を縫うように聞こえてくるキーボードを叩く音と
「うーん・・・・」
男の唸り声
「・・・人が真剣にレポートやってる時に耳障りな声を上げるな!アンタ此処に何しに来たの!?」
「ってぇな、この暴力女!俺だって真剣に詩ぃ作ってんだよ!!」
あまりにも耳障りな声には手元の分厚い辞書で思いっきり音の発信源である京の頭を引っぱたいた
涙目になりながらペンを片手に殴られた頭をさする姿はお世辞にも異種格闘技大会・キングオブファイターズの出場者には見えない
「黙れ、ポエマー!こっちは提出期限に間に合わそうと必死なんだよ!詩作なら他でやれ!!てか、仮にも格闘家の端くれなんだから受け身ぐらい取れよ!」
失礼なことを言いやがった憎たらしい口を塞ぐべく思いの丈を怒鳴り散らしながらもう一発、京の脳天に叩き付ける
今度はいとも簡単にかわされてしまった
流石はプロ・・・
この際もうどうでも良くなってきた
意識は再びディスプレイへ
「・・・・普通、自分の男が遊びに来てんのに放っとくかよ」
資料を片手にキーボードを叩いていると、京がぶつくされた声で言ったのが聞こえた
それでも視線をよこすことはしない
ここで京と遊んでしまったら、それこそ取り返しの付かないことになってしまいそうだから
そして、目をやってしまったら確実に放っておくことなど出来なくなるから
「へぇ、お前、いっつもこんなことやってんだ」
いつの間に移動したのか、京はのすぐ側まで来ていた
表示される文字の羅列に集中しきって少しだけ丸まっている背中に覆い被さるように立っている京は、
両の手をの体を挟み込むように机の縁に付いて興味深そうにディスプレイを覗き込んでいる
背に感じる暖かな温もり
ふと、視線の端に煙を捕らえる
目だけを動かしてそれを確認すると京の意外に細くて長い二本の指に挟まれた煙草が紫煙を燻らせていた
「吸うんなら窓開けてね」
飽くまでも視線は向けずに注意を促す
その様が気に入らなかったのか京は一度鼻を鳴らすと無言で窓を開けた
篭もった部屋の空気が一気に窓の外に抜けていきひやりと冷たい空気が頬を撫でる
「・・・後2時間」
「あ?」
「後2時間で終わらせるから、それまで待ってて」
相変わらず忙しなく指を動かしながら、発した言葉に京は驚いたようにに視線を向け
「はっ、できんのかよ」
軽く鼻で笑う
「馬鹿ね。
不可能を可能に変えるのが
「愛の力」というヤツでしょう?
」
「じゃ、待っててやるよ」
数分ぶりに交差する視線に、アナタへの思いを込めて
(後書き)
管理人が読んだ京夢は、ちょっと大人っぽい物が多かったのでちょっと大人げない感じにしてみました
大人で包容力のある京も好きだけど、構って貰えなくてふて腐れる京も良いと私は思います
追伸:彼女がいることを考えたら、夢小説は終わりです。